しまいにはさすがの名もジョンとかジォージとかいう平凡な耶蘇教信者ヤソきょうしんじゃの名前と一様に、ごう古典的クラシカルな響を私に与えなくなった。同時に彼はしだいに宅のものからもとほど珍重されないようになった。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)