繩張なはばり)” の例文
新字:縄張
姉弟打合せた上、弟の綾之助が錢形の平次を訪ねたのはその翌る日の晝頃、平次は柳原で殺された伊東參龍の始末も付いて居ないので、おめんの安の繩張なはばりを承知の上、二つ返事で飛んで來たのでした。
「錢形の、民五郎が下手人でなきア、誰が殺したんだ。繩張なはばりは繩張、物の道理は物の道理だぜ——。わざ/\笹野の旦那をおつれして、見事俺に恥を掻かせる積りだらうが、そんなわけにゆくものか」