絃楽げんがく)” の例文
これは青赤黒で書きわけられた私の肉体の調子の狂った交響楽である。心臓の打楽、肺の管楽、熱は頭の琴線の絃楽げんがくか。
胆石 (新字新仮名) / 中勘助(著)
専門家の中の優美な者だけが選ばれて、双調そうちょうを笛で吹き出したのをはじめに、その音を待ち取った絃楽げんがくが上で起こったのである。絃楽の人ははなやかな音をかき立てて、歌手は「安名尊あなとうと」を歌った。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)