素生すばえ)” の例文
二尺にも三尺にも及ぶほど勢いこんで延びてきているようなその素生すばえを見たばかりでも、おい先こもる少女の命を思わせるものがあります。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
満天星ばかりでは無い、梅の素生すばえは濃い緑色に延びて、早や一尺に及ぶのもある。ちいさくなって蹲踞しゃがんでいるのは躑躅つつじだが、でもがつがつ震えるような様子は少しも見えない。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
満天星ばかりではない、梅の素生すばえは濃い緑色に延びて、早や一尺に及ぶのもある。ちいさくなって蹲踞しゃがんで居るのは躑躅だが、でもがつがつ震えるような様子はすこしも見えない。
三人の訪問者 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
茶色で、やや赤みを帯びた枝の素生すばえに堅くつけたあの桃のつぼみこそ少女のものです。
力餅 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)