篤学者とくがくしゃ)” の例文
こんな異朝いちょうの故事や、いちいちな辞解などは、いま宋学そうがく流行のなかにある宮廷人か、またはよほどな篤学者とくがくしゃでもあるならいざ知らず、一般の鎌倉武者や土豪などでは
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のみならず、算哲の身辺事情中には、全然動機の所在不明にして、天寿の終りに近き篤学者とくがくしゃが、いかにしてかかる愚挙を演じたるものや、その点すこぶる判断に苦しむところと云うべし——。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)