笄蛭かうがいびる)” の例文
槙の木のうしろから熊笹の土堤どてにある犬の路をぽかりと北へぬけるとそこはいちめん栗の木のはえた墓地で、栗の花に、葉に、いがに埋まり、渋に染まつた石塔のうへにはよく笄蛭かうがいびるがはつてゐた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)