竿頭さおさき)” の例文
と自分は挨拶して、乱杭のむこうに鉤を投じ、自分の竿を自分の打った釘に載せて、静かに竿頭さおさきを眺めた。
蘆声 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
それから、清江に対して、一意専心、竿頭さおさきを望んでる間といふものは、実に無我無心、六根清浄の仏様か神様です。人間以上の動物です。たツた一度試して見給へ。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)
竿は長くても短くても、理窟は同しですが、う構へてあたりを待ツてるでせう。やがて、竿頭さおさきの微動で、来たなと思ツても、食ひ込むまで、構はず置くです。鮒ですから…………。
元日の釣 (新字旧仮名) / 石井研堂(著)