竜涎香アンバア)” の例文
旧字:龍涎香
あるのは、ただ、ルセアニア人が残して行った微かな竜涎香アンバアの薫りと、一晩中密閉されていた彼女の体臭とが混合して、喫煙室のそれのように、重く揺らいでいる空気だけだった。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
巴里パリー風の洒落た服装と、竜涎香アンバアのにおいとを私の車室へ運び入れて、それから私も、彼とだけずっと饒舌しゃべりこんで来た、若いルセアニアの商人が、私を、自分の前のあき椅子へ招待するのに任せた。
踊る地平線:10 長靴の春 (新字新仮名) / 谷譲次(著)