空嘯吹そらうそぶ)” の例文
「冗談ぢやねえぜ。あてられてたまるものか。」と、嘉吉は空嘯吹そらうそぶいて云ふ。軈て石垣の岸へ着くと小舟は元のやうにつないで置いて、二人は赤煉瓦あかれんぐわの倉庫の方へ急いだ。此の時かゝれのブウが鳴つた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)