磐石糊ばんじゃくのり)” の例文
しかし吾輩は復讎ふくしゅうを考えている。あいつの羽を切って、そいつに厚紙でこしらえた車を、磐石糊ばんじゃくのりという奴で張り附けてかせると、いつまでも生きていて曳くからね。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ゆきたい心はかえって口底にも出てこず、行きたいなどとは決していわないが、その力は磐石糊ばんじゃくのりのように腹の底にひっついていて、どんなことしたって離れそうもしない。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)