石南しゃくなげ)” の例文
垣根にはしおりがあった。道夫はそれを押して入った。庭には石南しゃくなげのような花の咲いた木があった。彼は庭の敷石をつたって縁側へ往った。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
石南しゃくなげがわだかまり、巨大な姫子松にさるのおがせがゆらめいて、細い山の背は木の根と落葉でできていると言ってよく、この辺に珍らしい、ふくよかにもの深い感触を、足の裏からも伝えてくる。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)