真床襲衾マドコオフスマ)” の例文
日本紀の神代の巻を見ると、此布団の事を、真床襲衾マドコオフスマと申して居る。彼のににぎの尊が天降りせられる時には、此を被つて居られた。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
天孫降臨の時、真床襲衾マドコオフスマを被つて来られたとあるが、大嘗宮の衾も、此形式を執る為のものであると思ふ。
古代人の思考の基礎 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
真床襲衾マドコオフスマが蒲団の様なものであつたのは、極古代で、後にはそんな形になつたのです。此が伊勢の神楽に這入つたのが何時であつたかは、一寸想像もつきません。
真床襲衾マドコオフスマこそ、大嘗祭の褥裳を考へるよすがともなり、皇太子ヒツギノミコの物忌みの生活を考へるよすがともなる。物忌みの期間中、外の日を避ける為にかぶるものが、真床襲衾である。
大嘗祭の本義 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
だが、もつと古代には日つぎのみ子の中から一柱が日のみ子として、みあれせられたのであつた。其間の物忌みが厳重であつた。此が所謂真床襲衾マドコオフスマを引きカヾフつて居られる時である。
貴種誕生と産湯の信仰と (新字旧仮名) / 折口信夫(著)