小説を読んだり白馬会を見に行ったりまた音楽会を聞きに行ったりしているうちには求めている物に近づいたような気がする事もあったが
私が白馬会へ最初通い出した時分は何がな、風景でも、何によらず、物体の影という影は光線の具合によって、紫色に見えるものだよ君、眼をほそめて、自然を観察して見給え、そら
湯浅氏の回顧陳列もある意味で日本洋画界の歴史の側面を示すものである。これを見ると白馬会時代からの洋画界のおさらえができるような気がする。
白馬会の研究所でおよそ一ケ年と、美校の二年間のデッサン生活において、先生の指導も結構に違いはなかったが、お互の競争心理が、絵を進ましめる事に非常な力があった事は確かである。