やつ)” の例文
始終のうきやつれたる宮は決してうつくしき色を減ぜざりしよ。彼がその美しさを変へざる限は夫の愛はくべきにあらざりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
藤「伯母様、藤原喜代之助でござる、お萓も一緒に、分りましたか、大層おやつれ……」
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
別人と見るまでに彼の浅ましくやつれたるおもてまもりて、譲介は涙の落つるを覚えず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)