それがちょうど十二年まえの正保二年、忠善の忿いかりにふれて生涯蟄居しょうがいちっきょという例の少ないとがめをうけたが、彼はその命のあった日に切腹をして死んだのである。
日本婦道記:墨丸 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)