瓜實うりざね)” の例文
新字:瓜実
二十四五にもなるでせうか、身扮みなりの整つた瓜實うりざね顏で、少し無氣力ではあるが、呉服屋の手代などにある、物柔かな色男でした。
お京より一つ歳下の十八、まだ幼々しさの拔けきれない、未完成な娘振りですが、瓜實うりざね顏で眉の長い、唇の切り込みの深い、非凡の上品さです。
紅も白粉も心持だけ、瓜實うりざね顏の淺黒い顏の色までが、健康さうで一種の魅力ですが、脂粉の氣に中毒した松次郎には、それは野暮つたく頼りなく、ほこり臭く見えたことでせう。