ところが久我さん、その荒野と云うのは、なるほど独逸神学テオロギヤ・ゲルマニカの光だったでしょう。ですが、その運命論フェータリズムは、かつてタウラーやゾイゼが陥ち込んだにせの光なのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)