聞くところによると、小諸こもろ牧野遠江守まきのとおとうみのかみの御人数が追分おいわけの方であの仲間を召しりの節に、馬士まごが三百両からの包みがねを拾ったと申すことであるぞ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)