片寄かたよせ)” の例文
要もないに明て見て何か探す容子、箱丁はこやがそっと入れて行った三味線は、棹を継れたまゝ座敷境の紙門ふすまの下へ片寄かたよせられ、客も芸妓も居るか居ないか疑われるほどの静かさであった。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)