煩悩熾盛ぼんのうしせい)” の例文
それほど私は俗界の紛紛に悩まされたのだった。隠棲の隠棲らしさはむしろかえって煩悩熾盛ぼんのうしせいの若い時にこそある。そこには俗界の生活とのあいだにはっきりと明暗黒白のけじめが出来る。
独り碁 (新字新仮名) / 中勘助(著)