焼火山たくひやま)” の例文
島は狭いとはいえ、焼火山たくひやま一つの裾野だけでも十人や二十人の数が散らばッて潜むになんの造作があろう。——いやまさか、そこまでのたくらみはあるまい。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
別府とよぶひなびた港の屋根から半島形に伸びている突端の松ばかりな丘の上である。松越しに見える向い島にも人は住むのか。南の高い山はかねて聞いていた焼火山たくひやまというのであろう。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)