いりえ)” の例文
われは佇立ちよりつしてアマルフイイのいりえを憶ひ起しつゝ、目を轉じて身邊を顧みれば、波のもて來し藻草と小石との間に坐して、草畫を作れる男あり。
眞に是れ一の夢幻界なり。いりえに沿へる拿破里のまちは次第に暮色微茫の中に沒せり。ひとみを放ちて遠く望めば、雪を戴けるアルピイの山脈氷もて削り成せるが如し。
白帆懸けたる大舟小舟は、しづかに高き家の軒を並べたるガエタのいりえに進み入る。