溌墨淋漓はつぼくりんり)” の例文
片鱗へんりん溌墨淋漓はつぼくりんりあいだに点じて、虬竜きゅうりょうかいを、楮毫ちょごうのほかに想像せしむるがごとく、芸術的に観じて申し分のない、空気と、あたたかみと、冥邈めいばくなる調子とをそなえている。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
極彩色の土佐画や花やかな四条派やあるいは溌墨淋漓はつぼくりんりたる南宗画なんしゅうがでなければ気に入らなかった当時の大多数の美術愛好者には大津絵風の椿岳の泥画は余り喜ばれなかった。