八丁堀の与力よりき満谷剣之助みつたにけんのすけという、名を聞くとばかに強そうな人が、金山寺屋きんざんじや音松おとまつという眼明めあかしと、ほか五、六人のおも立った御用の者をつれて、どやどやとはいりこんで来た。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)