武大郎之位ぶたろうのい)” の例文
そして軒の芦簾あしすだれを片手にかかげて、つと土間へ入ってみると、壁をうしろにした祭壇に“亡夫武大郎之位ぶたろうのい”と紙位牌かみいはいが貼ってあるではないか。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たった今、旅から帰って来て、何よりは兄さんに会わねえうちはと、このへ入って見れば、あの一室の祭壇に『亡夫武大郎之位ぶたろうのい』とお位牌いはいが見えるじゃねえか。思わずここで腰が抜けそうだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)