此山ここ)” の例文
もとより御狗を乞い求むるとて符牘のたぐいを受くるには止まれど、それに此山ここの御神の御使の奇しき力籠れりとして人々は恐れ尊むめり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
こりゃ今晩此山ここで凍え死ぬのか知らん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
神酒をいただきつつ、酒食のたぐいを那処いずくより得るぞと問うに、酒は此山ここにてかもせどその他は皆山の下より上すという。人馬のついえも少きことにはあらざるべきに盛なることなり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此山ここにては月々十九日に飯生酒など本社より八町ほど隔たりたるところに供置きて与うといえば、出で来ぬには限らぬなるべし、おそろしき事かななど寒月子とひそかに語り合いつつ
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)