木部孤笻きべこきょう)” の例文
三面に来ると四号活字で書かれた木部孤笻きべこきょうという字が目に着いたので思わずそこを読んで見る葉子はあっと驚かされてしまった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
木部孤笻きべこきょうと別れてから、何という事なしに捨てばちな心地ここちになって、だれかれの差別もなく近寄って来る男たちに対して勝手気ままを振る舞ったその間に
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それは葉子が思ったとおり、新聞に見入っているかのやせた男だった。男の名は木部孤笻きべこきょうといった。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
葉子は女学校時代にしたたかそのにがい杯をなめさせられた。そして十八の時木部孤笻きべこきょうに対して、最初の恋愛らしい恋愛の情を傾けた時、葉子の心はもう処女の心ではなくなっていた。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
木部孤笻きべこきょうだった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)