明白はつきり)” の例文
岸を離れて見上げると徳二郎はてすりつて見下ろして居た。そして内よりはあかりが射し、外よりは月の光を受けて彼の姿が明白はつきりと見える。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其後十七年の今日まで僕は此夜の光景を明白はつきりおぼえて居て忘れやうとしても忘るゝことが出來ないのである。今も尚ほ憐れな女の顏が眼のさきにちらつく。
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)