早月家さつきけ)” の例文
あわれな木村は葉子の蠱惑チャームに陥ったばかりで、早月家さつきけの人々から否応いやおうなしにこの重い荷を背負わされてしまっているのだ。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
何しろわたしども早月家さつきけの親類に取ってはこんなめでたい事はまずない。無いには無いがこれからがあなたに頼み所だ。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
こういう事があってから五日いつかとたたぬうちに、葉子の家庭すなわち早月家さつきけは砂の上の塔のようにもろくもくずれてしまった。親佐はことに冷静な底気味わるい態度で夫婦の別居を主張した。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)