私は又氏の「流行感冒と石」といふ作品さくひんを讀んで、氏が日常生活にちじやうせいくわつの出來事から、如何いかに深く人生の眞實しんじつを捉へ得てゐるかといふ事を、しみ/″\感じずには居られませんでした。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)