新發意しんぼち)” の例文
新字:新発意
客は私一人かと思つて通ひ船に乘り込んでゐると、寺の高い石段を寶巖寺の老僧が新發意しんぼちなどに扶けられて、杖を突いて急いで降りて來られる。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
隱し念佛の亡者にならうとして居るんだぜ——お藏念佛の新發意しんぼちになつたら最後、切支丹の方からは破門で、眞つ逆樣に地獄にちると思ひ込んだことだらう。
隱し念佛はおくら念佛といふぐらゐだ。上總屋は小さい孫二人をその日新發意しんぼち(自己催眠さいみんになる一種の得道)にするつもりで、晴着を着せて土藏の中へ呼んだのだ。
「まア、錢形の親分が坊主に——ホ、ホ、飛んだ可愛らしい新發意しんぼちが見られるでせうよ」