敲土たたき)” の例文
花どきには、見事な房を垂れた。関東大震災のときに、この家は焼けた。焼跡に行ったら、玄関の敲土たたきにあった傘桶と、池の縁の鋳物の蟹と亀だけが、そのまま残っていた。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)
居間の床は全体が粘土の敲土たたきで、滑らかに塗り固めてある。
門から玄関までが、長く狭い敲土たたきの道になっていた。
第二の接吻 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
冷蔵庫に入れた氷の溶けた水は、湯殿の敲土たたきに落ちるようになっていた。
生い立ちの記 (新字新仮名) / 小山清(著)