敧立そばだ)” の例文
新宿の方角からは、電車の響がうなるように伝わって来る。丁度、彼が寂しい田舎いなかに居た頃、山の上を通る汽車の音を聞いたように、耳を敧立そばだてて町の電車の響を聞いた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)