翌年の三月、藩主摂津守治定せっつのかみはるさだの供をして、秋成又四郎はあしかけ五年ぶりに帰国した。三人の親友や、親類知人たちの歓迎のありさまは省略する。
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)