挽地物屋ひきじものや)” の例文
夕より俄かにくもりて、驟雨、雷鳴。お冬さんは今頃どうしているにや。夜に入って雨やみたれば、八時ごろ散歩。挽地物屋ひきじものやの店にはやはりお冬さんは見えず。
慈悲心鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
例に依りて挽地物屋ひきじものやの六兵衛老人の店先に立つ。早起きの老人はいつもながら仕事に忙がしそうなり。お冬さんは店の前を掃いている。籠の小鳥が騒々そうぞうしいほどさえずる。
慈悲心鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)