投機とうき)” の例文
伯父は母の兄でした。ずつと昔父と伯父とが喧嘩したのです。父が財産の殆んど全部を父を破産させて了つた投機とうきにかけさせたのもあの伯父の差金さしがねだつたのです。
保守家で事なかれの小心者でも往々おうおうにして野心を起して投機とうきなどにひっかかるのは世の中に良くある例だが、こういうてあいが慾にからみ我を失うとあくどいことをする。
家康 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
近い話が寺の坊主からして、わざわざ損をしに神戸へ投機とうきをやりに行くというありさまだもの
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)