御正体ミシヤウダイ)” の例文
旧字:御正體
「貧人富みを致し、老人ワカきに還らむ」と託宣した神の御正体ミシヤウダイは、蚕の様な、橘や、曼椒ホソキに、いくらでもやどる虫であつた。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
熊野の湛増タンゾウが、船に若王子の御正体ミシヤウダイを載せ、旗の横上に金剛童子を書いて、壇の浦へおし寄せた(平家物語)といふのも、同じ影向勧請の思想である。
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)