御便おたよ)” の例文
静かな雨の音を聞きながら谷中の家の二階の三畳からこの御便おたよりをすると節子は書いてよこした。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「谷中の家の二階の三畳から御便おたよりいたします」と節子が引越の当時高輪へ書いてよこしたのも、その部屋だ。岸本はそこに身を置くことをめずらしく思って、ひとりで机の前に坐って見た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)