影向ヤウガウ)” の例文
古事記の例を見ると、霊物と威霊と二通りの形に、一つの影向ヤウガウを伝へわけた跡を見せてゐる。前段後段に、原因関係を示す形をとつてゐるが、実は一つ事の語り分けに過ぎない。
又其蝉口セミグチには、必、神符を封じ籠める(軍用記)故実も、少弐氏の旗の横上ヨコガミに、綾藺笠アヤヰガサをつけたのは、眷属の御霊の影向ヤウガウあつて、蝉口に御座あるからとの家訓がある(梅松論)といふのも
幣束から旗さし物へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
影向ヤウガウの時節も今、いく程よも過ぎじ。
獅子舞と石橋 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)