帙入ちついれ)” の例文
帙入ちついれ書物ほんに記されてあった、『くぐつ、てんせい、しとう、きようだ』……この謎語の意味解ってござる! 人形の眼を指の先で、強く打てという意味なのでござる。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
何の変わったところもない、帙入ちついれの書物ではあったけれど、その書物だけが奇妙にも、逆さに置かれてあるのであった。即ち裏表紙を上へ向けて、特に置かれてあるのであった。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
紅毛振の扉である。扉と向かい合った一方の壁には、巨大な書棚が据えてある。書棚には本が積んである。巻軸もあれば帙入ちついれもある。西班牙スペイン文字の本もある。いずれも貴重な珍書らしい。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)