巽堂たつみだう)” の例文
「手紙を出さうと思つてゐたんだ。」と机の前から少し居ざり出で、木場は白井が坐らぬ中、「巽堂たつみだうから文句を言つて来た。」
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
西銀座の巽堂たつみだうといふ古本屋で買つたのであるが、わたくしの自筆本で怪夢録と題された小説体の著作である。書体も文体も岩田の見るところ、共にわたくしのものに相違はないと言ふのであつた。
来訪者 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)