「北条の殿様の敵だとすれば、左近将監さこんのしょうげん様にも敵にあたるわけだな」誰とも知れずに一人がいった。「お二人はグルだということだからな」
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おちつきはらっているのも道理! このお小姓は家老石藤左近将監さこんのしょうげんなどの支配をうける、この大村藩のさむらいとは、いささかその身分がちがいます。
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)
種子島左近将監さこんのしょうげんという人が熊野を信仰して、遠くかの地より小さな石を一つ、小箱に入れて迎えて来ましたところが、それが年々に大きくなって、後には高さ四尺七寸以上、周りは一丈三尺余
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
石藤左近将監さこんのしょうげんというかたが、金と権力にあかせて建てられた住居だったのです。
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)
主人の左近将監さこんのしょうげんと竜胆寺の若さまが、たしかに碁をうっていられるはずなのに、話声ひとつきこえるでもなければ、石の音がするでもなく、寒けのするようなしずけさは、どういうわけでしょう。
亡霊怪猫屋敷 (新字新仮名) / 橘外男(著)