射干しゃが)” の例文
高く抽き出でた花はあつまってまぼろしの雲と棚曳き魂魄を匂いの火気に溶かしている。林や竹藪の中にくぐまる射干しゃが、春蘭のような花すら美しき遠つ世を夢みている。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)