“寰区”の読み方と例文
旧字:寰區
読み方割合
かんく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山の麓に見ゆるは土河内村なり、谷迫りて一寰区かんくをなしことさらに世と離れて立つかのごとく見ゆ、かつて山のいただきより遠くこの村を望み炊煙の立ちのぼるを見てこの村懐かしくわれは感じぬ。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
それであるから、自分の目には彼が半身に浴びている春の夕陽までがいかにも静かに、穏やかに見えて、彼の尺八の音のとどく限り、そこに悠々たる一寰区かんくが作られているように思われたのである。
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)