密行みっこう)” の例文
白い霧にけた街路に、ありも逃さぬ非常線が張りつめられ、れた舗道を踏んで、人の靴音は秘めやかに鳴った。通行人のうち、男はすべて巡査か密行みっこう刑事か新聞記者だった。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
刑事がためらっているところへ、折よく、密行みっこうの警官が通りかかった。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
この楽書らくがきはじつに惜しいことをした。書いてまもなく、密行みっこうの巡査が発見して、驚いて拭き消してしまったのだ。付近にはユダヤ人が多い。反ユダヤの各国人も、英国人をはじめもちろん少なくない。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)