定期市ヤールマルカ)” の例文
⦅ほんに、さういへば、この忌々しい定期市ヤールマルカへ出かける時だつて、何だか牛の死骸でも背負はされたやうな重つ苦しい気持がしただて。
ニージュニ・ノヴゴロド市には、夏になると、昔から有名な定期市ヤールマルカが立った。ペルシャの商人までそこに出て来て、何百万ルーブリという取引がある。
どれもこれも定期市ヤールマルカにはつきものの賤しい小商人どもばかりぢや。祖父はちよつと立ちどまつて、しげしげと眺めたものぢや。
年一度、遠くペルシャやアルメニヤ、コーカサス辺から迄地方物産を集めて開かれる世界に有名な定期市ヤールマルカで、(一九二八年迄数世紀間つづいた)謂わばニージニという町全体が生きていた。
それからこつち、誰ひとり怖気をふるつて近寄らねえもんで、ここに定期市ヤールマルカが立たねえやうになつてから、かれこれもう十年にもなるべえ。
有名な定期市ヤールマルカが終った朝、ニージュニ・ノヴゴロドからイリイッチ号という小ざっぱりした周遊船にのって、秋のヴォルガを五日かかってスターリングラードまで下り、そこからコーカサス
石油の都バクーへ (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
売りに行くんだよ。ほんとに、いい笑はれもんだよ、定期市ヤールマルカへ出かけて来て、苧麻ひと握りよう売らないなんて……。
だが、たうとう終ひには、壺を叩きわつたり、人だかりの中へぜにをばら撒いたりすることにも、退屈をするのは当然で、それに定期市ヤールマルカがいつまで立つてゐるものでもなし。
ひよつと途中で定期市ヤールマルカがへりの博労にでも出会つたら、また、なんとかして馬を買ふことぢや。
いはば定期市ヤールマルカの時にこちらへやつて来る、あの仲買人とおんなじで、矢鱈無性に掻きよせて、何彼なにかにの差別なく一手に引き受け、剽窃の限りを尽してからに、ひと月おきか一週間おき位に