宇流志禰うるしね)” の例文
平手ひらてに盛った宇流志禰うるしねの白い色、本陀理ほだりに入れたにいしぼりの高い匂いが、自分に絶望しかけて凡欲の心に還りつつある翁の眼や鼻から餓えた腸にかぐわしく染みた。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)