好男子いゝおとこ)” の例文
大藏も好男子いゝおとこでありますが、此の菊は至って堅い性質ゆえ、常々神原や山路が来ては何か大藏と話をしては帰るのを、案じられたものだと苦にしていたのが顔に出ます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
毎夜必ずビールを五六本、酒を五六合、チャンポンにのんだ。それ位のんでも大きな声で物もいえぬ程気が優しく、働く女への想いやりもあるようで、あまり好男子いゝおとこではなかったがあちこちでもてた。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
さて職人体の好男子いゝおとこでございますが、あれは例のお若さんが根岸の寮で生みました双児ふたご、仕事師の勝五郎が世話で深川の大工の棟梁へ貰われてまいった伊之吉でございます。