奢侈品しゃしひん)” の例文
至る所の店頭にさまざまのぜいたく物や奢侈品しゃしひんが並べられてあるかといえば、実はそこに今日の経済組織の根本的欠点があるのである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
まったくこの辺の者には足袋は奢侈品しゃしひんで、奢侈品なるがためにかくのごとき、想像しうるかぎりの最も柔らかなものを特に選ぶのであろう。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこでルイ王朝の家庭生活を文字通りに今の社会に再現させようと試みた。彼が嗅煙草を持っとったのは嗅煙草なるものが彼の御気に入りである拾八世紀の奢侈品しゃしひんであったからじゃ。
そこでこれら金持ちの人々の需要の大部分はおのずから奢侈品しゃしひんに向くことになるのである。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
また奢侈品しゃしひんの生産はいたずらに一国の生産力を浪費することにより、いかに国民全体の上に損害を及ぼすものなりとはいえ、余裕のある人々が金を出してこれを買う以上、営利を目的とせる事業家は
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)