大菱屋おおびしや)” の例文
お縫の話によると、外記はおととしの秋頃から吉原へかよい始めて、大菱屋おおびしや綾衣あやぎぬという遊女と深くなった。それについてはお縫も意見した。用人の堀部三左衛門さんざえもんいさめた。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分の方がひと足さきへ大菱屋おおびしやのしきいをまたいで、帳場にも声をかけてある以上は、自分のうちの客が本座敷へはいるのは当然の権利であると、ほかの茶屋の女中は主張した。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)